ゆきちゃんの世界
  * * * 阪神淡路大震災ボランティア * * *
ひまわりネットの活動

<仮設住宅に関する取り組み>    1995年7月 

 灘地域助けあい ひまわり ネットワーク
 
           代表  YUKI.I    神戸市灘区篠原伯母野山○○○                             
           事務局 HITOMK.T     神戸市灘区○○○

●活動紹介

●当ボランティアグループ、灘地域助けあい「ひまわりネットワーク」は、その前身は「灘ボランティア・JBC(じっちゃんばっちゃんクラブ)」です。 

 7月に入って「JBC」は解散し、それに関わっていた主婦たちで、新たにJBC的活動の一層の発展を願って灘地域助けあい「ひまわりネットワーク」が結成されました。

  又、これを機会に「灘ボランティア」からも独立しました。    

●灘地域助けあい「ひまわりネットワーク」のほとんどは、地元の主婦たちのボランティアで、現在、総員70人余りで、実働隊員30名余りです。

  そして、灘区の仮設住宅や避難所、テント村などでのさまざまなボランティア活動に取り組んでいます。


●毎週月・水の午前10時から午後2時までを″全体活動日″としています。

 基本的に灘区民センター横の河原のテント前に集合し、そこから各所に出むきます。

″全体活動日″にはいつも十数人から20人位が集まり、それぞれに分担して活動をしています。

 又、土日にできる方も、それなりにつごうのつく日にできる活動をお願いしています。 

 他の平日でも、担当をきめてありますので、つごうのつく時に、随意に担当のボランティア活動をしてまわっていただいています。

●私たち主婦は、学生たちがいなくなった5月頃から活動を始め、6月からは、毎週月・水と活動を続けています。

●[活動範囲]
 ただ今、当会のボランティアの活動範囲は灘区の一般仮設住宅(灘南・篠原・西灘・一王山・王子公園)の全部をうけもって活動をしています。 又、灘区内各所の避難所やテントにもそれなりにケアにまわっています。       

活動内容: 「ふれあい隊」2人一組で仮設住宅の一人暮らしの高齢者の巡回訪問                ほぼ毎週少なくとも2週に一回は高齢者一人暮らしの気がかりなお宅のふれあい訪問をしています。
                 避難所の方々・テント村の方々の訪問
「たねまき隊」仮設住宅の空き地に花をさかせる(種まき・草ひき)
「大工隊」 仮設住宅に必要な様々の大工仕事
「環境整備隊」仮設住宅の住環境を整える(溝きり・ジャリ道の整備
「かたづけ隊」高齢者の住宅や仮設住宅の荷物の整理ひっこしの手伝
「送り隊」 高齢者・盲人の方々の病院への車での送迎
「おしらせ隊」各所にそれぞれ必要な情報提供など広報活動をする
「たのしみ隊」アルジェリアテントやふれあいセンターを利用しての
          バザーを始め、童謡など歌う会、とかさまざまな企画を催しています

 6月からは「できる範囲で、無理なく、できることから」のモットーで、ボランティア意識を持っている地元の主婦たちに、広く呼びかけました。

 ボランティア活動を日常のものとし、気楽に接していってもらおうと、序々に活動人数をふやしてきています。 

 現在までに来てくださった方々は百名をこえ、スタッフも育ち、地元の主婦たちだけでなく、男性や仮設住宅の方々も加え、30人余りが常時活動しています。


●前身 「灘ボランティア・JBC」

・代表のyukiは、震災後の2月15日から「灘区災害ボランティア・JBC部門」に参加し、ずっと高齢者、独居老人を対象としたボランティア活動を続けてきました。

 「JBC」では、当初ケースワーカーや民生委員の方々がほとんど動けない状況の中、ケースワーカーの方の依頼をうけて、生活保護の方々や障害者や高齢者の方々のケアから始まったものです。

・しかし、ケースワーカーの方の依頼以外にも、避難所や全壊半壊のお家には、身よりがなかったり、親戚も遠くて頼る人のいないご高齢の方々が多勢いらっしゃいました。 

 又、全壊・半壊のお家に住んでいらっしゃるご高齢の方で、ご近所の方のみかねての要請などもあり、そのような方々のケアも引き受けてきました。

・それらの方々は、yukliのファイルだけでも百名以上になりました。

 それらの方々は、これまでは年金暮らしで、お一人で気丈に生きてこられたのですが、この震災以後、いくあてもなく、今後の生活のみとおしもたたず、いわゆる震災以後に″社会的弱者″になってしまわれた方々なのです。   
                       
・そのように、不安で心許ない思いをなさっておられる方々への訪問活動を続け、様子を伺い、いろいろとお話を聞いて、昂ぶったり沈んだりする感情をうけとめる心のケアを行ってきました。 

 又、さまざまに困っておられる問題の解決への手助けもしてきました。   
           
・具体的には、水汲み、病院の送迎・見舞い、種々の証明書をとりにいく、病院への薬とり、ゴミ出し、荒ゴミ出し、家事手伝い(ごはんづくりの指導、掃除、・・・)、荷物のかたづけ、福祉事務所(震災で動物園の方に移転)への送迎、盲人福祉協会のグッヅの配達、盲人の方の手をひいての先導、ヘルパー要請のための保健婦さんケースワーカーさんへのとりつぎ、遠い近親者への連絡や相談にのったり、入院の手配、法律相談へのつきそい、土地問題・解体問題へのお世話、ケースワーカーさんへのとりつぎ、仮設へのひっこしの手伝いなど、その他いろいろ・・・・家具をおこしたり、屋根のシートかけ、ひっこしなども・・・・・灘ボランティアの実働隊の助けも得ながらしてきました。

・そして、それらの避難所や全壊、半壊住宅にお住まいの方々が、それぞれにあちこちの仮設住宅にひっこされるにつれて、仮設住宅におけるさまざまな取り組みが必要になってきました。 

 そして、仮設への対応は、ふれあい訪問活動だけでなく、大工さん建築士さんを動員して、学生たちの応援も得ながら、仮設住宅を住みよくするための改善への様々な取り組みもしてきました。


○仮設住宅への取り組み(ソフト面)

  ・ふれあい隊で、2人一組で、ふれあい訪問をしている。 灘地域の全仮設を受け持ち   大体週に一度は、気になる高齢者・一人暮らし・病弱者を訪ねれるようなペースで巡   回訪問をしている。 そこでいろいろと様子をおききしたり、ゆっくり話相手をしている。 そして、その話の中からさまざまな問題点をくみだす。

  ・ふれあい隊の訪問活動で、でてきたさまざまな問題を当会のそれぞれの部隊にふりわけて、問題の解決をはかっていく。 

  ・問題によっては、行政機関・市の仮設担当部署に連絡したり、区役所の地域福祉課や保健婦さんに伝えて対応を要請しています。 又、市の社会福祉協議会に伝えたり、区のボランティアセンターに人員の派遣を要請したり、又ボランティアセンターからの依頼を受けたりなどもしています 

  ・他のボランティア団体とも提携しあいながら、さまざまに助けあいながら活動を続けています

  ・救援物資のアルジエリアテントを建てて(灘南仮設)集会所にした。そして、各仮設住宅の自治会づくりの手だすけもしている。 又できた自治会と提携して、住みよくするための活動を支援している

   
○仮設住宅への取り組み(ハード面)

 急ごしらえの仮設住宅なので、すみごこちの悪い点が多々ありました。 

 灘区の全仮設住宅へのアンケートを実施し、住みごこちの悪い点をいろいろとあげていただきました。

  そして、それぞれの要望に応じて、仮設住宅の改善への取り組みをしてきました。 
  又、現在も巡回訪問のなかででてくる、さまざまな改善要求への対応をしています。
     
   @ フロ・トイレへ入る段差の解消のための足台を作る
                板を箱型につくる。上に貼る布は パンチカーペット 
                もしくは 東洋リノリウムのNSシート(防水)など 
                         
   A 取っ手のとりつけ(フロ・トイレ)
          高齢者、身体障害者の方々が、フロ・トイレを使いやすくするための
          手すり一軒で2・3カ所いる場合が多い
          取っ手にかんしては、一人一人によりつける位置が使い勝手により違
          ってくるので、個々に対応することが必要とされる        
            材料
           ・ビニールコーティングの鋼管(口径3cm長さ60cm)   
           ・継手のイレクター                     
           ・木の板   取っ手を壁面にしっかりと固定させるため    
              シリコンコーキングを裏の全面塗ってステンの木ネジでとめ
              めボードアンカーで固定してしっかりとめる
           ・木ネジ    
             イレクターをとめるステンの木ネジ(4mm 長さ25mm)
             板を壁にとめるステンの木ネジ (4mm 長さ45mm) 
                          
  B  風呂を利用しやすくする腰かけ用のスノコ 
           風呂おけが深いので、体の不自由な方や高齢者の方がすぐ入るには
           危ない面がある。 お風呂のフタの部分にとりはずしできる形で、
           すのこの腰かけ状のものを作る。
           一旦スノコに腰かけてから入ったり、スノコに全体重をかけるなりすると、
           安全で安心して出はいりができる。
           又シャワーなどもスノコにすわったまま浴びることができる

  C  風呂に入りやすくするための踏み台
            すのこ製
                               
  D  和室側からの外への降り口への踏み台                   
        仮設の床面がかなり高いので、裏から外にに降りるにしても、
         とても足台なしには無理 
        ・木での階段状のなり、木でしっかりした箱型を作る
        ・ブロックとコンクリートパネルを組み合わせて作る
                                
  E  玄関から道へのスロープ
         車椅子の方が、利用しやすいように・・・

  F  玄関や裏への出入り口の手すり

  G  高い棚を降ろしたり、配置をかえる     
          木ネジでとめてあったので、芯材の位置を確かめて、電動ドライバーで
          確実にとりつけた。
  H  網棚を吊る 

  I  和室内部や台所内部に棚を設置

  11  物干の庇   
          和室側の、窓の外のそなえつけの物干に雨の時でも安心して干してお
          けるように庇をつけた

  12   外の物干 
           住宅の向きの関係で、物干が北側にあるケース
           がある洗濯も のが乾 かないので、空き地に大型物干を作った(丸太と金具)
           ふとんが干せる物干しを作った     
  13   襖が動かない時の調整
  14   天井がひわって電灯が落ちそうな補強
   15   電灯が落ちてきたので、補強してとりつける
  16   電気のスイッチの位置を変える
  17   目の悪い方のために、電話線をひっかからないように配線をした。 
  18   プロパンガスボンベ置場に鍵のかかるカバーの小屋を作る
  19   車椅子の方のための雨よけの小屋づくり


 ・・・・・・これらを、援助資金のあるうちは、全くのボランティアとして、ただでとりつけさせていただいています。 作り方の指導もしています。 お知りになりたい方、とりつけたい方は、ご連絡ください

以上の仮設住宅に関するハ−ド面の支援に対し、朝日ボランティア助成金を50万円いただきました。
この資金を、みなさんの、すこしでも気持ちの良く仮設住まいをしていただくためにお役にたてたいと思っています。
                              
                                                (文責 YUKI.I )


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