日本の美はいずこへ
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1999.10
YUKI.I
★現代の羅生門
つい先日古都散策のお好きな方が、あのJR京都駅を巨大なゴミ箱と嘆いておられました。
でもほんとに、あれは、この20世紀の巨大化した都市の象徴そのものですね。
優雅な古都に似つかわしくない巨大な廃墟の箱のようにも思えます。
わたしは、20世紀の羅生門だと思っていましたよ。
昔、羅生門って映画が、あったらしいのですが、多分、人間の欲望と退廃と虚無の象徴ではありませんか?
よく知らないので違うかもしれませんが・・・。 昔、京都の百鬼夜行の頃、羅生門には盗賊が住み、死体が捨てられ、とても近寄れるようなところではなかったとか、聞きます。
そして、あのガラスでピカピカのJR京都駅の様子は、科学文明の摩天楼のきわみをみたように私には感じられます。
形も巨大なガラスの羅生門のようにさえ私には,思われます。
まさに羅生門を現代に復活させたかのような、様子に、私もあ〜あこりゃまいったねと思ってました。
巨大な中は空っぽ、そこには、ロックなどの嬌声も響いてきます。まさに、現代の象徴の響きです。
20世紀の最後に、まさにその科学的に巨大化した、しかし中身の空虚な・・・20世紀の象徴のように思えてきます。
あの設計も日本人ではなかったようですね。
なさけないですね。
京都の玄関だというポリシ−で皆を納得させるだけの実力のある日本の建築、古都の象徴という設計図と企画書はできなかったのですかね。
建物・形より、見えないなかみのポリシ−の問題ですね。
みえない、ソフト・・・その建物を利用し、楽しみ、使いこなせるための、ソフトの企画プロジェクトはどれほどされたのでしょうか。
それこそ、日本人、それも一度は日本から出て苦労した人でないと、思いつけないかもしれませんね。
交通の便の抜群の場所として、京都の目玉となる 呼び物は? 内容は? 精神は?
日本中のいや世界中の人が、まず最初の出会いとなるのにふさわしい中身は?
そのようなことが、かんがえられているのでしょうか?
あれからみれば、チンケな京都タワ−なんてかわいいもんだったなと、ほほえましくさえ思えてきます。
★日本の誇りと美と心はどこへ
千年以上をほこる街です。
街全体を世界遺産にしてもよいぐらいの、先見の明のある人は全くいなかったのですね。
それは、○○道だ、わびださびだといっても 所詮、それぞれの井戸を深く深く掘るばかりで、山奥に庵をくんで、自分の世界に埋没するのが、風流だとしてきた”つけ”でしょうね。
外に出て、街をみわたそう、世界をみて、日本古来のはぐくんできた伝統文化と町並みというものをあらためて、みなおして誇りに思おう。
そういう認識が、なかったんでしょうね。
横山大観など、あの明治に、みなが西洋化にばかり目がいってたころ、日本の誇りを美を声を大にして言ってたと思うんですけどね。 京都の芸術家たちのセンスはどこへいったんでしょうね。
やはり、ひとつには、天皇さんが、しゃしゃり出て、東京へいってしまっったことから、京都は芯を失い、 誇りまで失ってしまったんじゃないかと私には、思われます。
川端康成が、古都を書き残して、自殺した無念さがわかるようです。
でも、死んじゃあだめです。 日本の文化人たちは、何してるんでしょうね。
お坊さんもしかり、皆自分の原稿料、戒名料ばかり気にして、自分の精神が、街に対して何ができるか、忘れてたのですかね?
どれほどの反対がされたのでしょうか? わたしが、京都人だったら、都庁か、市庁にデモやすわりこみにいって、片方、日本的な美を追求している、世界的建築家を探して、話しにいきますね。
文化人を集めて、そ内容のコンセプトでけんけんがくがくさせちゃうでしょうね。
こういう開かれたコンセプトも何も 行政には、なかったんでしょうかね・・あららなさけないことあのフランスの橋の話しを聞いた時も冗談かと思いましたが、ほんとだったんですね。
なんとまあ、やめてくれてよかったこと。
★現代の虚構 土建屋議員・レジャ―産業議員
その頃わたしは、何の因果か、ずっと阪神淡路大震災のボランティアで、ご老人の相手ばかり していましたよ。
神戸のほうにいても、地震のあとの街のたてなおしにしても、あのひどい火事のうらばなしにしても、これが、信念も何もあったものじゃないひどい状況ですよ。
川原のテントで、寒い中ボランティア条例の陳情書を夜明けまで書いて民生局に出して、その討議などを聞きにいった時も悲しかったですね。
まだ、テントにも沢山の人が住み、仮設住宅の建設もままならないときに、信念とは金もうけなり とばかりに、金時計チャラチャラ(もう古いですか?ロレックスキラキラ)
の議員たちのいろいろと言ったこと・・・・わたしは、神戸の実態、いや日本の実態を知らされたように思いましたよ。
市にとって目ばちこみたいだった、長田のあたりも、すっかり燃えて、いざいざとばかりにさっさと青写真がつくられていましたよ。 いつのまに!!
住民の声など、どこ吹く風と、コンクリ−トと高層ビルでかためた都市の青写真ができているのです。
そして、わたしたちが、ジ−パンでほこりだらけの寒い中をかけまわっている時も、議員たちはぬくぬくとした公舎で、今こそ、神戸にディズニ−ランドのような呼び物を、一大レジャ−ランドを作りましょう。
と、真面目に発言している議員の言葉をあっけにとられて聞いていましたよ。
なんや、こりゃ〜・・・・。ほんきみたい!!(Ω_Ω)!!!
★お猿の日本 ホイサッサ
いやはや、東京の迎賓館もそうでしょ、フランスのベルサイユ宮殿などをまねしてるのんと ちがいますか??? 新しい日本的なのでも建ちましたかね? 近頃行ってないんで・・
なんで、外国からきた人にベルサイユ見せんといけませんの? 気がしれませんよ。
だから、猿やといわれるんですよ。 なんで、紀子さんの結納に土足であがっていきますの?
日本はこんなに素敵なんですよ。美しいんですよ、と、胸を張れないんですか?
いったい毎日何感じて、国民の税金でのうのうと暮らしてはりますんやろ?
東京ディズニ−ランドができたときも、なんで、アトムワ−ルドに、ドラエモンランドにしないのかと思いましたね。 ゲゲゲの鬼太郎だっているじゃないですか。
日本の、千葉のドラエモンランドに行こうって、世界から観光客がきますよ。
ほんと、日本人って自分でものを考えるということ、創り出すことをしないんですかね?
外国のまねして、恥ずかしくないんですか?
これが、日本の教育の成果なんでしょうかね、いいえ社会がそうだから、教育も、親の気持ちも皆、そんなふうにながされているんですね・・・。
★みなの心がゴミ箱に
とにかく、多くの人の心の中が、あれもこれものめちゃくちゃのゴミ箱と化しているんじゃないでしょうか。 わたしの心とて同様かもしれません。
ですから、いまさら京都に巨大なゴミ箱ができたとて、驚かされはしませんが、その一方で、古くて,良き物が、どんどん消えつつあることを思うとまことに残念でなりません。
そして、現代は、戦争や化学物質をはじめ、原発やクロ−ンなど、バランスを欠いた科学のいきすぎが、地球上の生命を脅かしていると私は感じています。
科学文明は人間のエゴイズムを追及しながら、ここまできていると、思っています。
現代の羅生門はまさにその象徴ではないでしょうか?
かくいう私も、西洋音楽をなりわいにしておりますが、一つを深く知れば、又、他をも敬意を表し、十分に尊重するところです。
わたし自身は日本人ですから、日本の文化も又、今後ともふか〜く味わっていきたいし、日本人であることを誇りに思えるよう、その美と心をさらに感じて、愛していきたいと思っています。
日本の美と心を愛している、ゆきです。
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